「全日本実業団選手権を終えて、今思うこと」
アストレア新潟  主将 黒川 真
日ごろ、私たちアストレア新潟の活動についてのご理解とご協力、感謝しております。

 さて、7月の実業団を終えた今、目前に迫った全日本社会人選手権大会に向けて、日々練習を重ねている次第でありますが、時間も大分経ちましたが、これからの試合に向けてもう一度反省を生かしていきたいという思いから、その実業団について振り返り、総括したいと思います。

 人数ギリギリでのスタートとなったアストレア新潟として、初めて出場したのが全日本実業団の大会だった。チームはNTT北海道から移籍してきた黒川・吉岡、これまで実業団のチームもなく、1人で新潟の国体メンバーとして戦ってきた松本、直前に怪我をして不安を抱えたまま試合を向かえることになった渡辺の計4人。初めてのチームでの出場ということに加え、それぞれが、移籍・怪我によるプレッシャーや試合自体への不安を持ち、また、当然、目標達成への強い思いもあり、精神的に少し大変だったように思う。

 組合せは、勝ち上がればベスト4入りで三洋電機に当たることが分かっていたから、そこまで残ることは最低限クリアしなければならない。予選リーグは、すべて3−0で余裕の勝利。決勝トーナメント1回戦は、日本リーグの2部に所属し、若い選手が力をつけてきている北国銀行が相手。リーグに出場したことのないチームでも、2部リーグに所属しているチームに勝つ力があることを証明するためには、しっかり気を引き締めて自分たちの力を出さなければいけない。しかし、さすがにチーム全員が日本リーグ経験者、口に出さなくても一人ひとりがきっちりと仕事をして3−0で危なげなく勝利。私たちの最低限のノルマは達成することができた。
 
 そして、いよいよ三洋電機との戦い。第一ダブルスは渡辺・吉岡vs小椋・潮田。相手は日本チャンピオンの2人だから恐れるものは何もないと、果敢に攻める吉岡と、ベテランの配球で相手を揺さぶりチャンスを作り出す渡辺。1ゲーム目、いいラリーを続けて相手の焦りも誘ったが、17−21と惜しくも振り切られる。2ゲーム目は、少しミスも増えてしまい、相手も慣れてきたこともあり失速ぎみで9−21で負けてしまった。しかし、誰が相手でも攻めていく気持ちがあれば、例え相手がチャンピオンであれ勝負はできるということを、改めて知ることができた試合であり、今後のプラスとなる試合だった。
 
 続いて第二ダブルスは、今回初ペアの黒川・松本vs脇坂・多谷。第一ダブルに続き、いい流れで試合を進めたいところであったが、ダブルを組んで初めての大舞台となり、硬くなって足が止まってしまう。男性相手に練習を重ねてはきたが、相手のスピード、パワーに対応できず11−21・8−21で落としてしまう。試合の緊張した場面で、練習とほぼ同等の力を出せるように、今後、試合を常に想定した緊張感を持った練習の積み重ねが必要であると感じた。
 
 そして、第一シングルスは連戦で体力が心配な吉岡vs今別府の戦い。吉岡の巧みなフェイントと、力強い球回しで2ゲーム目はラストオールまで追い詰めたが、10−21・21−23で力尽きた。2試合平気で戦える体力があれば、結果は違ったかもしれないが、この先の課題が見つかったことはよかったと思う。

 4人で臨んだ今回の大会は、力を出せた者と力を出せずに悔しい思いをした者と両極端な結果で終わった。同じ練習をして、なぜこのような結果になるのか…力を出せずに終わった者は結果を素直に認め、反省をして次に生かさなければ今回の敗戦が無駄になってしまうと思う。いい試合ができた者はさらにそこから上に行くために、もしくは今回のような相手に勝つために何をするべきかを考え、それを実行していくことだ。

 あれから2ヶ月経った今、どれだけ成長できているかはわからない。しかし、来年以降の試合を見据えながら、今は目前に迫った試合で自分たちの力を出し切れるように、日々努力していくしかない。